スポーツ・上肢クリニック

膝関節(おもにスポーツ障害や靱帯・腱のトラブル)


前十字靱帯(ACL)損傷・断裂

  • 前十字靱帯とは
     前十字靱帯とは膝の関節の中にある靭帯であり、膝を安定化させる役目をしています。主に脛骨(すねの骨)が前方に動くのを制動する強力な靭帯です。

  • 受傷機転
    •  主にスポーツ中が多く、ジャンプの着地や切り返しの動作、また膝の外側からタックルされたりして断裂することが多いです。


    • 症状
    •  受傷直後は腫れや痛みが強いですが、数週間で歩行も可能になり日常生活もできるようになります。ただその後も運動時などに「膝がぐらぐらする」、「膝が抜けるような感じがする」など膝の不安定感、膝くずれを自覚します。

      そのままでも日常生活は可能ですが、膝くずれ(膝がガクッっとずれる)を繰り返し、徐々に関節の軟骨や半月板などの正常組織が損傷する恐れがあります。ですので、膝の不安定感や膝くずれを自覚する人には再建術などの手術をお勧めします。

    • 治療

      ・手術治療  
      関節鏡を用いた手術により断裂した靭帯を、自家腱(患者さん自身の他部位からとった腱)を使用して再建します。当院では半腱様筋腱(膝を曲げる腱)や膝蓋腱を採取して再建靭帯とし、骨に掘ったトンネルに再建靭帯を通し、金属製の固定具で固定します。入院は1~2週間程度、その後は通院、リハビリテーションをし、術後12週ごろからジョギングを開始します。スポーツ復帰時期は筋力の回復具合により差はありますが8~9カ月程度で競技完全復帰(競技内容によりますが)を目指します。 また、前十字靱帯損傷や半月板損傷がある中高年の方で、今後もスポーツを楽しみたいという方の場合、前十字靱帯損傷だけではなく、軟骨が痛んでいたり、加齢性変化やO脚変形などをともなっている方がいます。当院ではそのような状態でも、高位脛骨骨切り術を併用した前十字靱帯再建術など症状と膝の状態によって組み合わせた手術も施行しています。





    半月板損傷・断裂

    • 半月板とは
       膝半月板は膝関節の大腿骨と脛骨の間にある軟骨様の組織で、内側と外側にあります。半月板は関節の荷重分散(関節にかかる体重を分散させるクッションとしての機能)と関節を安定化させる役割があります。また半月板自体には血行が少ないため一度損傷すると治りにくいといわれています。

  • 受傷機転
    •  若年者と中壮年では同じ断裂でも原因が異なります。 若年者は主にスポーツの切り返しなどで受傷する外傷性断裂、中壮年の場合は加齢性に変性した半月板に軽微な外力(小走りや階段昇降など)が加わり損傷する変性断裂があります。


    • 症状
    •  受傷直後は腫れや痛みがでることが多いですが変性断裂では徐々に痛みが出てくることもあります。膝に水や血液がたまって(水腫や血腫)膝が腫れることがあります。痛みだけではなく、膝の曲げ伸ばしでの引っかかり感や、断裂の形態によっては膝がある角度で固定されてしまい曲げ伸ばしができなくなるロッキング症状をきたすことがあります。

    • 診断と治療

      診断は、受傷状況や診察所見、症状から半月板損傷を疑った場合はMRIを撮影し、診断します。


      ・手術治療  
      以前は半月板の治療は切除(断裂した半月板を切り取ってしまう)が主流でしたが、半月板を切除することで将来的に関節機能の低下、長期的に変形性関節症が危惧されるため、できるだけ半月板を温存した治療を行っています。 関節鏡を用いた手術により断裂した半月板を縫合します。通常は膝の前面に2か所の小さな傷でおこないますが、断裂形態や縫合方法により追加で数センチの切開が必要となります。また中壮年の変性断裂では、O脚の方が多く半月板も損傷している方が多いので治療方針を決めるにあたり半月板損傷が疼痛や機能障害の原因かを十分に見極める必要があります。当院では変性断裂に対しても、患者さんの状態に合わせて骨切り術(O脚をX脚にする)を併用した半月板縫合も積極的に行っています。



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